「一体いつまでこんな生活が続くのだろう・・・」

移植待機をする私は,度々襲うトラブルに悪戦苦闘の日々を送っている。

度々点滴の管から感染し頻繁に高熱が出る。

血圧が低いので解熱剤は使えず抗生物質と身体を冷やすだけ。

たちまち私の体は管だらけになりスパゲティー状態になる。

感染を起こす度に管を差し替える処置を行い,

そしてその後は決まって不調になり強心剤の量が増えていく。

 悪い事は重なるもので厄介な事に経過観察していた子宮筋腫からの不正出血が増え

ある晩トイレに立ったい際,私は廊下で倒れ動けなくなった

何日も出血が続く事は気になっており,気分が優れないのも

めまいが頻繁に起こるのも心臓の調子が悪いせいだと思っていた。

採血の結果,貧血を起こしており緊急輸血となった。

筋腫をエコーで見たところ10cm以上,赤ちゃんの頭の大きさにまでになっていた。

健康な女性なら手術の適応となるのだが,重症心不全患者の手術はリスクが高く

危険との判断で今まで経過を診ていたのだが,

輸血を要する貧血を生じるようでは筋腫で命を落としかねない。

そして心臓移植を受けるにあたり,ハンデとなる事はすべて事前に削除しなくてはいけない。

そのような見解の末,筋腫のみならず子宮全摘という方法での手術を受ける事となった。

子宮を取る。将来子供を生む事は望めないにせよ、女性であることを失うようで辛い決断だった。

最高のスタッフの周到な対応で、思った以上のトラブルもなく,今年の1月14日に手術を無事終える事ができた。

摘出した筋腫は800g以上もあり、立派な筋腫ですよ!とICUのベッドで見せられた時は驚いた。

これが愛する人との愛の結晶ならばもっと違う感動があるはずだと,この期に及んで滑稽にも私は思った。

 一つ,又一つと降りかかる火の粉を振り払うように,私はこれまでの人生を転がるように走ってきた。

これからもそんな未来が待ち受けてるのかもしれない。

私は時々こんな不安に駆られる事がある。

もし移植が成功して元気な身体を取り戻せたとしても,再び社会復帰が出来るのだろうかと考えている。

病気の患者としての肩書きが定着していて、何一つとして生計を立てる術を持たない私が,

移植後の極めて慎重な管理を要する身体を抱えて一から将来の設計を建て直し生きて生けるだろうかと。

移植を希望する心の裏ではそんな事を考え々眠れなくなるのだ。

体の調子が悪ければ悪いほど良からぬ事ばかりを考える。

こんな気持ちでは移植を受ける資格が無いではないか?とも思ったりもする。

臓器移植手術を知らせるニュースに胸を躍らせつつ,年間に数えるほどしかない現実を思うと

果たして私は生きてここから出られるのかと思ってしまうのだ。

 深い霧の中の山中をさ迷うドライバーのように今の私は自分の生きる道の正しい方角を探し続けている

neko