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「最低3ヶ月の入院治療が必要です」。
診察室で向き合った医師が,こう最初に告げた。その時の事を今も私は鮮明に覚えている。
当時,高等看護学校の生徒だった私は度々襲う体の不調に気付きながら学校の忙しさで病院
に行かずかなりの間辛抱をしていた。せっかく進級したのに遅れをとる事が一番嫌だったから。
しかし担任の先生に精密検査を受けるように促され体調管理の義務感の為,以前から
喘息で掛かっていた近隣の大学病院へ受診したのだ。医師の言葉の意味をその時は理解できずに
「私には今,実習に向けてやることがあるので入院は出来ません」と,逃げるように診察室を出た。
その直後に,たまたま夜勤で家に居た自宅の父に病院から電話が入っていた事は
当の本人は知る術もなく電話を取った父に医師は,
「お嬢さんは急性骨髄性白血病です。今,大変危険な状態です。命が1ヶ月持つかどうか分かりません」
と,病気の告知をした。父はその時は頭を石で殴られたような衝撃で,
わが耳を疑ったと後になって話してくれた。
19歳の誕生日を迎えたばかりの私は,これまで大病もせず順風満帆の人生を送ってきた。
しかし,この日を境に思いもよらない方向へ私の人生は転がり始めて行った。
晴天の霹靂,これ以上この時に相応しい言葉は他に無いだろう。
当初私には病名は告知されていなかったので,
私はただ単に留年することへ
のショックだけに打ちひしがれていた。
neko